法人向けに従業員の睡眠状況の管理とそれらに起因するリスク管理・リスク回避の為のコーチングサービス「O:SLEEP」を展開していますが、6月より施行される『睡眠情報の記録の義務化』を支援するため、iPhoneのみで睡眠状況を自動取得・記録し「睡眠にリスクを抱えている運転手や管理者」を直接支援、安全運転を促す機能を追加しました。 一部の運輸系企業では運転手の睡眠状況管理を口頭で行なっていますが、現状では運転手が自身の睡眠時間を把握・記憶できていないことや虚偽報告が行われうる様子も散見されるように、口頭管理のみでは「睡眠不足に起因する事故防止」の根本的な対策になっていないと言えますが、「O:SLEEP」により「客観的な睡眠状態把握」が可能となります。 今後、公的な規制がかかると考えられる『睡眠情報の記録と管理』は目先の対策(口頭)だけで終わらせることなく、具体的な対策までを早期から行い、現場に「睡眠の重要性」「睡眠と事故の関係」を啓発することで、事故予防につながる可能性が高まります。 「O:SLEEP」はiPhoneによって測定した従業員の睡眠状況を、個人を特定することなく集約・可視化・コーチングを受けることができるブラウザサービスであり、睡眠不足によるリスク(生産性)が可視化されます。また、部署別や勤務形態別での睡眠状況も把握することができます。
■国土交通省による改正で2018年6月より施行される、睡眠不足に起因する事故の防止対策強化について バス・タクシー・トラック事業について、運転者の睡眠不足による事故の防止を一層推進するため、睡眠不足の乗務員を乗務させてはならないこと等を明確化し、点呼簿の記録事項として睡眠不足の状況を追加されます。居眠り運転に起因する事故を防止し、また、働き方改革を進める観点から、運転者の睡眠時間の確保についてバス・タクシー・トラック事業者の意識を高めるため、今般、旅客自動車運送事業運輸規則及び貨物自動車運送事業輸送安全規則を改正されます。 国土交通省 「旅客自動車運送事業運輸規則及び貨物自動車運送事業輸送安全規則の改正内容」について http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000341.html
■従業員と睡眠の関係について 「不眠症は国民病(※1)」と呼ばれていて、成人の5人に1人が不眠で悩んでいるデータがありますが、睡眠状態は従業員の「心の健康」や生活習慣病に強く関わっています。厚労省が提唱する「21世紀における国民健康づくり」では食事・運動と並んで睡眠の重要性が提唱されていて、「メンタルヘルスやストレスへの抵抗力」を保つためには特に睡眠が肝要だと言われています(※2)。また、うつ病の初期症状として患者の約90%が「不眠」を経験していると言われていますが(※3)、睡眠情報を記録することによってメンタルヘルスの不調をいち早く察知することができる為、予防としての活用も可能です。 なお、睡眠問題は生産性低下の大きな要因の1つでもあります。企業の健康関連総コストの割合は、従業員の生産性低下(プレゼンティズムロス)が約78%(1人あたり56.5万円/年の損失)となっており、睡眠やメンタルが特に強く影響を与えていることがわかっています(※4)。睡眠やメンタル不調による経済損失は約15兆円と言われています(参照元:英国ランド研究所発表)
- ※1厚労省eヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html
- ※2厚生労働省「健康日本21(休養・こころの健康)」参照
- ※3 プライマリケアのためのうつ病診断Q&A,北原出版,1997
- ※4 企業の「健康経営」ガイドブック ~連携・協働による健康づくりのススメ~ (改訂第1版) 経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課